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真珠委員会だより

「AGLアコヤ養殖真珠グレーディング・システム」説明会について

システムの説明会や目合わせ用サンプルの回覧を行っています!

一般社団法人宝石鑑別団体協議会(AGL)は、2019年9月より「AGLアコヤ養殖真珠グレーディングシステム」による真珠グレーディングを開始することを決定し、会員に向けて最初の説明会を東京と大阪で行いました。
昨年2月に「真珠グレーディング特別委員会」を設置してから第1回説明会の開催までに、マニュアル作成やマスター・パールの用意等の準備に約1年を要しました。AGLは全会員にマスター・パールの所持を義務付けており、より良い状態でマスター・パールを保管するため共通保管ケースに入れて、白布と原簿を添えて説明会当日に手渡しで配布しました。
会員各機関は今後一連の説明会や勉強会を受講した技術者から1名を選び「AGL真珠グレーディング専従責任者」として登録することになっております。
 
第1回説明会では、AGLが真珠のグレーディングを考えるに至った経緯及びマニュアル素案に基づくAGLグレーディング・システムの考え方が説明されました。これは先ず理念の統一を図るためです。休憩をはさんで後半は、実技実習時間にあてられました。顕微鏡を覗く者、並んだサンプルを観察しながら自説を述べる者、真珠委員会メンバーに個別質問する者等で、会場に熱気があふれました。
 
第2回説明会は、5月25日(AGL総会)の午後に行われました。それに先立ち、目合わせ用に組まれたサンプルの回覧を行ってシステムの理解を深めております。専従責任者の登録が済み次第、専従責任者への講習会も用意されています。9月1日の開始日までに、万全を期さなければなりません。尚、今夏のジャパン・ジュエリー・フェアにて「AGLアコヤ養殖真珠グレーディング・システム」について説明を行います。
今後も情報開示に努めて参りますので、宜しくお願い申し上げます。
 

アコヤ養殖真珠(無調色)について

調色の痕跡を示さない無調色と呼ばれるアコヤ養殖真珠は鑑別書に下記のように記載されます。

鑑別結果:アコヤ養殖真珠(無調色)

開示コメント:潜在的に有する美しさを引き出す真珠特有の加工が行われています。

備考欄:真珠特有の加工とは前処理、漂白、調色を指します。この珠には調色の痕跡は認められません。

***「無調色」とは、検査で調色(淡い加色)の痕跡が認められないものを指しています。***
 

シロチョウ養殖真珠の開示コメント追加について

平成29年1月1日からシロチョウ養殖真珠の鑑別書には
通常、潜在的に有する美しさを引き出す真珠特有の加工が行われています
開示コメントが記載されます。
 
 近年、シロチョウ養殖真珠にも、アコヤ養殖真珠に見られる前処理と呼ばれるテリ出しなどの加工処理の痕跡が多く見られるようになりました。従来、シロチョウ養殖真珠の開示コメント欄には、何も記載されていませんでしたが、今後アコヤ養殖真珠と同様の開示コメントが記載されます。
 
 

鑑別結果「養殖真珠」について

母貝の表記がなく、単に「養殖真珠」という鑑別結果の場合

標準検査では母貝の特定が困難である場合、鑑別結果から母貝名を外すことがあります。
 
 真珠を作り出す貝には、アコヤガイ・シロチョウガイ・クロチョウガイ・マベ・ヒレイケチョウガイ等があります。鑑別書では適切な科学的検査により真珠を産出した貝(母貝)の種類が明確な場合のみ、その産出母貝名を表記します。

(養殖真珠共通に適用)

カービングが施された養殖真珠の記載法

例: 画像のクロチョウ養殖真珠の記載方法について

写真のようにカービングされた真珠への
記載方法が下記のように訂正されました。

鑑別結果 クロチョウ養殖真珠

形 状 欄 ○○○ シェープ
(彫刻またはカービングも可)

備 考 欄  「彫刻が行われています」
( 「カービングが行われています」も可 )

備考:青色部については検査(鑑別も可)していません。
(鑑別可能な場合は記載可)
*内部や他の素材の場合もあります。

                 

厚さの最大径が3mmを超える海水養殖真珠について

アコヤ養殖真珠は伝統的に養殖の際に外套膜に宿るケシ粒のような極小の真珠を “ケシ”と称してきました。そのような考え方からシロチョウ養殖真珠やクロチョウ養殖真珠でも養殖の際の副産物として比較的大粒(10㎜以上)の海水産真珠も “ケシ”と呼称されて流通してきました。
しかし近年、真珠養殖の多様化から吸水性を持つ核や淡水養殖真珠を核としたもの、パラフィン、ワックス、泥などを核として使用した真珠が登場しています。使用される核によっては真珠生成後、内部の核を熱で取り除くなどして故意に空洞を作り、軟X線透過検査の透視像による判断が困難となってきました。
AGLでは検査依頼があれば、真珠の厚さの最大径が3㎜を超える伝統的な養殖用の核が認められない海水養殖真珠は、備考欄 に「X線透過検査により伝統的な養殖用の核は認められません」と記載しております。また真珠の厚さの最大径が3㎜以下の海水養殖真珠に限定して備考欄に「その形状から伝統的な呼称として“ケシ”と呼んでいます」と記載しています。
写真上部:
淡水真珠を核に使用したクロチョウ・ケシタイプ真珠と内部
写真下部:
ゼリー状核を使用したシロチョウ・ケシタイプ真珠と内部

グレー系養殖真珠の軽微な照射処理について

 
真珠には軽微な照射処理が施されている場合があります。非破壊検査を原則とするため、看破には限界があります。
通常は、光透過装置による目視観察など明瞭なる加工の痕跡を基に判別を行っております。
※ ESRなどの破壊検査により判別ができる場合もありますが、この検査には高額費用と追加日数を要します。
※ 右の写真の上部2枚は、未照射グレー系養殖真珠の表面と切断面です。下部の2枚は、照射済みグレー系養殖真珠の表面と切断面です。切断面を比較して若干の色の違いがお判りいただけますか?
  

淡水養殖真珠を核にしたシロチョウ養殖真珠

ダウンロードできます。

写真とデータ

(2012-07-25 ・ 410KB)

ケシに似せたバロック・シェープのシロチョウ養殖真珠を検査した結果、核に使用されていたのは淡水養殖真珠でした。但し、鑑別結果は一般的な養殖用核が使用されたシロチョウ養殖真珠と同様に表示されます。

アコヤ養殖真珠ネックレスのサイズ表記について

鑑別書への表記方法

真珠流通業界では加工する際に、直径のサイズを「7-7.5 mm」のように、0.5 mm 刻みのサイズ・カテゴリーとして表記することを伝統としています。
ネックレスの形態上、サイズ・カテゴリー表記を採用して鑑別書に記載する場合があります。真珠のサイズ表記は製品での計測の為、近似値で表示しております。
一般社団法人
宝石鑑別団体協議会
〒110-0015
東京都台東区東上野1-26-2-507
TEL.03-3835-8273
FAX.03-3835-8410

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